人権を守る：ゼイド・ラアド・アル・フセイン国連人権高等弁務官、退任のインタビュー

8月をもって、ゼイド・ラアド・アル・フセイン国連人権高等弁務官が退任しました。 退任にあたり、ゼイド氏は国連人権高等弁務官事務所でのインタビューで、イエメン、シリアにおける各国政府の対応を批判したため、安保理常任理事国5か国（中、仏、露、英、米）からの再選の支持が得られなかったと語りました。もし、支持を得ることができれば、人権高等弁務官の職にとどまったであろうとも語りました。 ゼイド氏は、人権高等弁務官在任中、加盟国からの圧力の存在を示唆、しかし、国連として正しい行動を求める市民社会、深刻な人権侵害の被害者の人々からは、それに以上の重圧を感じていたと語りました。 加盟国を公に批判することは最後の手段であり、それ以前に様々なアプローチが試みられたとゼイド氏は述べる一方、時として声を上げる以外に、加盟国の注意を引く方法はないとも述べました。90年代半ばの旧ユーゴでの虐殺を目にしてきた自身の経験が、沈黙を許さなかったからです。 ゼイド氏は、人権高等弁務官の任務は、自らを守る力のある加盟国の保護ではなく、一人ひとりの被害者、弱い立場、抑圧されたコミュニティーを守ることにあると語り、また「抑圧が再び横行し、弾圧が息を吹き返しています」とも述べています。 在任中、人権高等弁務官を務めたことで友人を失うも、自身の良心は明確でり、人権高等弁務官の主な義務とは、被害者の声となり、加盟国政府とっては疎ましい存在であると語りました。