豊洲市場の盛り土未整備　「責任者は8人」懲戒処分へ

豊洲市場の建物の下に盛り土がなかった問題で、その原因を改めて調査した報告書が公表されました。当時の部長級以上の職員8人に責任があるとして、小池知事は懲戒処分を検討することにしています。 　小池知事は午後4時半から臨時の記者会見を開きました。この中で小池知事は「部課長級の会議で地下にモニタリング空間を設置する方針を確認したと複数の関係者が証言した。会議の方針が都の方針に沿わずに局の判断で行われた。『いつ誰が』というのは、ここが『いつ』ということになる」と述べました。豊洲市場の設計に関わった職員への新たな聞き取りの結果、豊洲市場では2009年に土壌汚染対策として敷地全体に盛り土を行う方針が決まったにもかかわらず、その2年後に新市場整備部の部課長会議で地下空間を設置することに方針が変わったことを明らかにしました。また、この間に中央卸売市場の市場長を務めていた中西副知事、岡田元市場長ら2人の市場長経験者を含む部長級以上の職員8人が問題の責任者と指摘しました。小池知事は「事実と異なる説明を続けてきたのは言語道断。意思を持って方針転換をするのなら情報をオープンにして、専門家会議や技術会議などの結論を『こういう考え方で進めたい』と諮ればよかった」と述べ、問題の責任者と指摘した8人について懲戒処分を行うなど厳しく対応する考えを強調しました。 　またこの問題に絡んで小池知事は延期した市場移転の時期に触れ「幾つかのパターンがある」と話し、近く複数のパターンを明らかにする考えを新たに示しました。 　一方、都は市場関係者への説明会を開き、先月就任した村松明典市場長が関係者に「心よりおわび申し上げます。申し訳ございませんでした」と謝罪しました。説明会で都は、移転が延期されたことによる関係者への支援や損失の補償について話し合いを行っていくとの姿勢を示しました。これに対し、築地市場協会の伊藤裕康会長は「今の市場の抱えている問題、われわれがこの延期によって被った損害も含めてこちらからいろいろ申し上げた」と話しました。また、小池知事が盛り土をしないことを決めた実務上の責任者を発表したことについては「それよりも都の体質。しっかりと改めてもらいたい」と述べました。補償については今後、都の担当者と話し合いを続け、詳細を詰めていくということです。